香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
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「朝野家 香りの散歩道」 この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。 |
今日は二十四節気の「啓蟄」です。土の中で冬ごもりをしていた虫たちが、地上に這い出る時期を表しています。 先人たちは、小さな命が動き出す瞬間に心を寄せて、季節の変化を感じ取っていたのですね。 そして、この頃になると、山の表情も少しずつ変わってきます。 俳句の世界では、春夏秋冬それぞれに山を表す季語があり、真っ白い雪に覆われた冬は「山眠る」。 その雪が溶けて、生きとし生けるものが目覚める春の季語は「山笑う」。あたたかな日差しを浴びながら、木々や草花が芽吹く様子を見て、眠っていた山が微笑んでいるように感じたのでしょう。 この「山笑う」という言葉は、中国・宗(そう)の時代の山水画家、郭熙(かくき)が記した一文に由来するといわれています。 『春山淡冶(しゅんざん たんや)にして笑うが如(ごと)く』 春の山は、淡くて見目麗(みめうるわ)しく、まるで笑っているようだ。 山を擬人化したこの表現に、「なるほど。そう見える」と心を動かされた誰かが、俳句の季語として使うようになったのでしょうか。 めぐる季節を自然の息吹で感じる、こうした言葉を通して、春の訪れに思いをはせてみませんか。 |
「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。 |
*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中 ↓mp3です。
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |